平成26年9月10日(水)植物誘導研究会主催による「外来種を用いない地域生態系に配慮したのり面緑化技術講習会」が開催され、当社からも3名の技術者が参加してきました。(於 八重洲博多ビル)
第1部は、「地域生態系に配慮したのり面緑化工の手引き」について、国交省国土技術政策総合研究所 緑化生態研究室 主任研究官であられる飯塚康雄氏が講演されました。同手引き作成にあたって、その本文の主たる部分を執筆された方ということで、同手引きについてたいへんわかりやすく解説をしていただきました。これまで特に発注者は、緑化によるのり面の表層崩壊対策のため、施工後短期間にに草が生えることを重視してきたが、今後はのり面の「緑化目標」というものを掲げて、将来的に成立させる植物群落の完成形を示し、長期的な地域生態系の保全を図る必要があるということを力説されていました。
第2部は、植物誘導研究会 技術顧問で日本緑化工学会理事の山田守氏による、「自然侵入促進工の新しい取り組み」についての講演がありました。植生基材吹付工が市場単価方式による発注となっていて、その際植生工の種子として使用されているもののうち、要注意外来生物と言われるものが、6種類も含まれていることや、外来種のイネ科花粉のアレルギーによる人体への影響が懸念されていることなど、たいへん興味深い話を聞くことができました。
また、法面の植生工施工後の管理不足を会計検査院に指摘されて、1000万円超の交付金が不当と指摘を受けた事例の紹介があり、今後ののり面の維持管理のあり方について、モニタリングの重要性を強調されていました。
山田氏からの報告には、当社が植物誘導吹付工を施工した法面も調査対象に含まれていて、たいへん身近に感じました。
今後も、同様の講習会に積極的に参加して、技術力の向上につとめていきたいと思います。